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2014年05月04日
15年ぶりの西表島
長らく行っていなかった西表島に行ってきました。
仕事の都合上、2泊3日の身近い日程で天候にも恵まれず、どうなるか心配でしたが、レンタルの原付をフル活用し、西表島の東から西を駆け巡ってきました。
15年ぶりということでかなり状況が変わっているという予想通り、道路事情や環境は一変し昔の面影がほとんどない状態で、依然蛇類が数多く出没していた場所は新しい道路に変わり、初日の晩はサキシママダラすら一匹も発見できない状態で焦りまくり。これではと奮起。最初に出会えたのは最も多い色模様のノーマルタイプのサキシマハブでしたが、懐かしさのあまりしばらく写真撮影後遊んでしまった。思い切って横道に入り、少し行ったところで細長いバンド模様のヘビを発見、一瞬サキシママダラと思ったが、体調が細長いことでもしやと、原付を止めライトを当てる。その正体は八重山諸島の珍蛇の1種サキシマバイカダだ。「今回も出会えたな」と道路上ではあるが写真を撮る。気温は16~18℃で時折小雨が降る肌寒い天候。原付を走らせるとより寒さを感じる。田んぼではサキシマヌマガエルの大合唱、そこで展示に使用できるサイズのサキシマハブを採集。
初日に出会えた爬虫類両生類
サキシマハブ(6個体)、サキシマバイカダ(1個体)、オガサワラヤモリ(5個体)、ミナミヤモリ、ホオグロヤモリ、サキシマヌマガエル、ヒメアマガエル、ハラブチガエル、サキシマアオガエルなど
初日の晩は午前4時を回るまで頑張ったが、上記の動物のみで満足できなかったが、帰りに地道の脇道に入った途端ライトの明かりに照らされたイリオモテヤマネコに遭遇。ヤマネコは驚きすぐそばの木に飛びつき登りはじめ、ライトの明かりを嫌いどんどん上に登る。懐中電灯とカメラの準備に戸惑う内に木から飛び降り逃してしまう。このヤマネコはまだ若い個体であることが体長や毛並みの状態でわかる。
2日目は日中のうちにトカゲの観察と晩の下調べに費やす。気温は多少低くスキンク類は期待できないがサキシマキノボリトカゲやサキシマカナヘビならと思い探すがまったく見ず、林道や林内に多少入ってみたが同じで、最後にまだ若く小さな個体のキノボリトカゲ5個体を見つけ写真撮影したのみ。林内は依然と環境はさはど変わりないとみたが、全体に動物相がかなり貧弱になっており、数も激減し、捕獲圧のひどさを物語っているようである。通常夕方にはセマルハコガメには雨が降れば道路上でも何個体でもあえるのが普通であるはずが、たった3個体のみで、道路整備が過剰に行われ、今回私の目の前でシロハラクイナがまともに車にはねられた現状や轢き殺された死骸の多さを目の当たりすることで、現状の観光一辺倒のあり方にはもどかしさを感じているのは私だけだろうか?
2日目の晩、雨の中サキシママダラを観察できホッとするが、3個体のみでガッカリ。サキシマハブもそれなりに観察できたが、以前の用のいろんな色彩タイプを観察することができず、ノーマルタイプと黄色タイプのみ、これではもう1種の珍蛇イワサキセダカヘビは無理かもと思われ始めたが、とにかく距離を稼ぎいろんな環境をあたる。しかし、イワサキセダカヘビの影も形も発見できないだけでなく、ヘビとの出会いが少なすぎる。午前3時を回り、今回は無理と岐路につき、しばらく原付を走らせると道路上に細長いややハブ模様の明るいヘビを発見。一目でイワサキセダカヘビとわかる。これまで、西表島には10回程度来ているが、後半5度目くらいからは必ずサキシマバイカダとイワサキセダカヘビには遭遇しており、今回も土壇場でこの2種に出会えた。
2日目に出会えた動物
サキシマハブ(6個体)、サキシママダラ(3個体)、イワサキセダカヘビ(1個体)、サキシマキノボリトカゲ(5個体)、サキシマヌマガエル、ヒメアマガエル、ハラブチガエル、サキシマアオガエルなど
カンムリワシ(3個体)
今回しばらくぶりの西表島行は希望の希少種に出会え一応満足できはしたが、環境の変化、動物の出会いの低頻度(4月後半という時期も関係しているのかもしれないが)から、将来に不安をおおいに残す西表島であった。また、もう少し詳しくは次回のクリーパー(やんばる通信)で紹介する予定。